みずのしょうまプロデュース
カービングスキー入門編 vol.2
このホームページを作るに当たり、入部して初めてスキー雑誌を読んでみました。僕がスキー雑誌を読んで思ったことは、「スキーの理論は難しいけど、理(特に物理的原則)にかなっている」ということです。いかに、スキー雑誌を参考にした僕のスキー論を書いていきます。あくまで僕の考え方をまとめたものなので間違いもあるかもしれませんが、お許しください。なるえく1年生にもわかるように書いたので、1年生のみなさんも是非読んでみてください。
T.カービングスキーとは?
現在、競技スキーでは「カービングスキー」が使われています。カービングスキーの特徴は、下の図のように、力を加えてやると板が曲がることです。この状態は「板がたわむ、しなる」などと表現されます。
U.ターンにおけるスキーの向きと体の向き
ここでは、競技スキーに最も必要な「ターン」についてやや詳細に解説します。競技スキーの基礎となる部分なので、是非読んでみてください。
◎ターンにおける基本とは?
単刀直入にいうと、「体の向きは常にフォールライン」これが基本になります。フォールラインとは山側と谷側を結ぶ線をイメージしてもらえばいいと思います。この基本をもとに、ターン前半と後半の動きについて解説します。
(1)ターン前半
板の向きに対し、体はフォールラインを向いています。この姿勢により板をたわませることができ、スムーズにカービングできます。この姿勢を、板の向きに対して体が内向きに向いているということで「内向形」といいます。
もし体がフォールライン(F.L)を向かず板と同じ方向だったら...(下図)
板は全くたわまないので、板は曲がることなくまっすぐ進んでしまいます。この姿勢だと、板を曲げるためには板をわざとずらして向きを変えるしかありません。この「ずらす」という動作は減速動作であり、タイムのロスにつながってしまいます。
(2)ターン後半
ターン前半の場合と同じく、板の向きに対し体はフォールラインを向くことになります。この姿勢により板のたわみを生み出します。ターン前半の時の「内向形」に対し、今度は板に対して体が外側を向いているので、この姿勢を「外向形」といいます。体と板を同じ向きにしてしまうと、結果は上と同様で、スキーはたわまないため板は曲がってくれません。
つまり、ターン前半から後半への動きは、内向形から外向形を作るというということに他なりません。あと、以上の説明により、「体の向きは常にフォールラインと同じ向きになる」ということもわかって頂けたでしょうか?
V.外足加重とそれに関する話
カービングスキーの基本的な概念として「外足加重」というものがあります。これは、すなわち「外足への荷重量>内足への加重量」ということです。なぜそうなるのでしょうか?下の図をご覧ください。
図を見てみると、外足の加重ラインは滑走面に対してほぼ垂直にかかり、スキーのたわみを効果的に作り出せる状態といえます。一方、内足の加重ラインは滑走面に対して斜めにかかっており、スキーのたわみを作りにくい状態といえます。以上により、スキーのたわみ量は外スキーの方が必ず大きくなります。よって、カービングするときは、外足のスキーをメインにして滑ることになります。
上の図のように、外足の加重のポイントは必ず体の重心よりも外側にあるため、体を内側に傾けて外足に効率良く加重できるような状態を作る必要があります。この状態を「内傾」といいます。
「外足加重」に付随して、いくつかの事柄について解説しようと思います。
(1)内倒とは?
図1のように、外足が雪面から外れ、内足だけで滑ってしまう状態を「内倒」といいます(外足が雪面から外れないまでも、外れそうなほど体が内側に傾いていたら、広い意味での「内倒」です)。「内傾」が極端になると、この「内倒」になってしまいます。内倒がなぜいけないのか、上の説明を読んだあなたならおわかりですね。そう、「外足加重」が基本なのに外足を使わない状態になるから「内倒」はダメなのです。「内傾」は必要なのに「内倒」はダメ......。カービングの難しいところだと思います。内倒は、向心力が最も大きくなるターンmax(向心力=mv2/r という例の物理の公式です。ターンmaxではvがmaxになるから向心力もmaxです。生物選択の人、すみません)で最も起きやすいので、注意しましょう。ちょっと思ったんですが、向心力=mv2/r で、向心力は質量mにも比例するから、mが大きい人ほど内倒しやすいのでしょうか?ひでさんがよく内倒してこけるのも、もしや......。
では、内倒を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?図2を見てください。大きな向心力に耐えるため、外足側の肩を下げているのがわかると思います。外足側の肩を下げることにより、外足にもきちんと荷重ができ、良い滑りができるようになります。
(2)ターン切り換え
ターン後半からターン前半に移行する動作を「ターン切り替え」といいます。そして、ターン切り替えとは、外足を反対の足に移すことに他なりません。
本当はこれに加えて板の前後差の話を詳しく書きたかったんですが、僕の理解が及んでなくて......。勉強しときます。今の僕が完全に理解しているスキーの理論はこのくらいです。ただ、このホームページを作るに当たってスキー雑誌をそれなりに読んだので、スキー理論の理解は深まりました。あと、この下に何か書いてあるとしたら、それは僕が書いたことではございません。ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。